将来より、まず「今」を大切に生きる|バンライファー加藤由香さん
将来より、まず「今」を大切に生きる|バンライファー加藤由香さん

将来より、まず「今」を大切に生きる|バンライファー加藤由香さん

バンライファー夫婦のとおるんよしみんです!日産キャラバンで車に住むおうち型バンライフをしながら日本各地を旅しています。 2018年は世界一周、2019年6月から日本一周中。車中泊初心者&女子向けの情報を発信中(^^)!

VANLIFER特集では、次世代のライフスタイル 「VANLIFE(バンライフ)」を送る素敵な方々をご紹介します。今回は「加藤旅具店」を運営されている加藤由香さん(以下、ゆかさん)にインタビューをしてきました。


ゆかさんは、生活冒険家のバンライファー赤井成彰さん(以下、ナルさん)がつくっている拠点「モバイルヴィレッジぼちぼち」に現在いらっしゃいます。

オーストラリアやニュージーランドでのテント生活から日本でのバンライフに至るまでのこと、日々のポジティブな考え方についてお話しを伺いました。

オセアニアや東南アジアで旅をしながら得た経験

まずは過去にインタビューしたナルさんとの繋がりを教えてください!

ぼちぼちにて撮影!左がゆかさん、右はナルさん。


ナルくんとは出会ってまだ間もないのですが、共通の友人からの紹介で出会いました。


友人に「面白い人がいるから紹介するよ」と言われて会ったものの、以前ナルくんのことは何かのメディアで見たことがあって。「モバイルハウスを集めて住む拠点を作っている人が日本にいるんだ!楽しそう」と思っていたので、実際にお会いできたのはご縁ですね。


▼ナルさんのインタビュー記事はこちら


ゆかさんは日本でバンライフを始める前はオーストラリアにいらっしゃったんですか?

ぼちぼちの冬が積もります!


2015年から2年はオーストラリア、1年はニュージーランドでワーキングホリデーをしていました。そこで車にテントを積んで色々な場所を旅していました。オセアニア以外にも、東南アジアをバックパック背負って1、2か月間旅していたこともあります。


私はもともとアウトドアな人間ではなかったんです。でも旅をしている間に世界観や考え方が少しずつ変わりました。

オーストラリア滞在の1年目に使っていたテントは拾いもので、そのテントでしばらく寝泊まりしてました。旅中に見たり出会ったりするものをひとつずつ大切にして過ごしていましたね。


2年目は購入したテントを使用しました

海外でのテント暮らし。何か思い出に残っていることはありますか?


海外ではバンやキャンピングカーに乗って暮らしている人が多かったです。旅慣れている方やリタイアした方など。モバイルハウスなどで住めるキャラバンパークという施設も多かったので、テントの周りにトイレやデッキ、シャワーなどを作って住んでる人もいましたね。


海外では車に住むのは普通のことで、実際に車に住んでいる方にもたくさん会いました。オーストラリアでは車に住むのは1つの暮らしのスタイルとして確立していて、アクティビティとしてのバンライフというより、車に住むという一つのライフスタイル。


マイクロバスを改造した家で、シングルマザーで子供4人を連れてジプシーみたいに好きなところに行ったりする家族もいました。



実際に海外で旅やテント生活をやってみて困ったのは、公共浴場がほとんどないこと。お風呂に入れないのはちょっとしんどいです。

海で泳いでも、髪が塩水に浸かって天日干しするから、からまってひきちぎれることもしばしば。あとは、英語でコミュニケーションを取っていましたが、日本語ほどはうまくスムーズにいかなかったり。


印象に残っているところはGiant Sand Dunes(ジャイアント・サンド・ドゥーン)です。ニュージーランドに行った時、最後の3か月間は乗用車を改造して旅をしたんですが、その場所は今までに見たことない景色でした。地球ではなくまるで別の惑星にいるような感覚でした。砂丘の先にオアシスがあって、一本だけ木が生えていて、さらに向こうに海が見えるんです。すごく素敵なところです。


絶景だったGiant Sand Dunes

日本に帰国してバンライフ開始

それから帰国されてバンライフを始められたのですか?

はい、帰国してもまだ旅を続けたいと思ったので、日本でバンライフを始めました。2019年10月に車を購入して、バンライフ歴は3年目です。

海外にいた時に日本のことをよく聞かれたのですが、案外日本のことを知らないことに気が付いたんですよね。日本は広くて行ってないところも多いなと思っていました。


私は「バンライフしたい!」や「バンライファーになりたい!」という強い気持ちは特になくて、旅を続ける手段として車に住もうかなと思い、始めることになりました。



海外では実際に車に住んでいる人にたくさんお会いしました。テント暮らしだと雨の日の撤収が大変なのと鍵もなかったので、車に住んでいる人はひとつ上の暮らしをしているように感じていました。だから、帰国した時には車を買って旅をするならそれに住んでしまうのがいいかなって。

お車は何に乗られてますか?内装も見たいです!

車内はDIY


車は日産のバネットバンに乗っています。この車種がよかったというよりは、予算に合うバンを見て回ってたどり着いたという感じ。状態も良かった車を埼玉県で購入しました。


内装は、オーストラリアで友人たちのバンを車内をたくさん見ていたのでそれを参考にDIYしました。本気で車に住む気でいたので、しっかり寝られて、しっかりご飯が食べられる場所、というのを1番優先にしました。車の中のスペースは限られているので、車内空間はほぼベッドとキッチンです。


料理は車でいつも作ってます。ごはんを鍋で炊いて、お味噌汁ともう1品作ってます。結構普通のご飯を作ってますよ。


車内で作っている料理!

愛車の名前は「山田君」

ゆかさんの愛車は「山田君」という名前だとお聞きしました。その名前をつけた理由は何でしょう?

愛車の「山田くん」


はい、山田君です!オーストラリアでは車に名前をつけている人が多く、それがおもしろくて私も愛車に名前をつけました。

名前の由来は車屋さんのオーナーさんの名前です。車を見に行った時「お仕事で使うんですか?」と聞かれ「車に住もうと思っているんです」と伝えるとびっくりされて。家を買うんだから他の車屋さんもしっかり見た方いいよ、と親身になってくださった、その方が「山田さん」です。


部品の買い替えが必要な時期やお金まわりの情報を教えてくれたり、車を買った後も、田舎で何かあったら困るからとしっかり整備してくださいました。

知り合いにタイヤ販売している人いるからと紹介してくださったり。

「夢があるね!」と言ってくださった山田さんの愛がたくさん詰まった車なので、車を名前を「山田君」にしました。


山田君は2WD(二駆)なので、急な山道を登る時は「グーーーーン」と音がします。「ごめんね」って話しかけたりします(笑)山田君は私の旅の仲間ですね。ちなみに、車を買った後もその山田さんとは仲良くさせてもらっていて、今年のお正月も遊びに行きました。

「山田君」は、山田さんの愛も込められた車なんですね。その山田君と、日本はどこを周遊されましたか?

自然に囲まれた温泉最高です!


国内は北海道を周りました。本当に広くてなかなか北海道から出られなくて。


私は温泉好きで、北海道では自然あふれる無料の温泉にも行きました。秘湯や野湯は山奥に多く、行くまでの道で土砂崩れで通行止めになっていて引き返さないといけないこともあったので、今は役場に電話で確認してから向かうようにしてます。山道の運転を頑張っても、最後の最後で入れないとなったら悲しいですからね。

最近はこれまでの旅道具を紹介

現在活動されていることありますか?

2022年1月から始めたばかりですが、加藤旅具店を運営しています。加藤旅具店のテーマは「旅が暮らし、暮らしが旅」です。

実際に私が旅中で使って、本当に良かったと思うものをみんなに紹介するために、noteやInstagramで投稿してます。今は動いて生活している背景から在庫は持てないので、情報として出しているのみです。


どういう人か分からない人から旅の道具をおすすめされてもつまらないと思うので、私の暮らしの様子とか、旅の記録として今日したことや愛用品などをアウトプットしています。まずは私のことを知ってもらうところから発信しようとしています。


たとえば、今履いている窟。「Blundstone」というブーツで、5年ぐらい愛用しているんですが、川にも山にも町にも履いていきます。この靴で1年暮らせるぞっていう靴なんですけど本当におすすめです。


加藤旅具店のnoteで詳しくご紹介してます!


今現在、車にあるものが私の全財産です。実家とか他の場所にはもう一切荷物を置いてないんですよ。卒業アルバムや学校でもらった大切な手紙とかも全部処分しました。

結局、思い出の品を取っていても、何年も手に取れないことに気づいたんですよね。それって、思い出というより物に対する執着かもしれないな、と思って。

そういう考え方になったので、半年前に実家に帰った時に荷物を全部出して、捨てたりあげたり売ったりして、今乗っているバンに入っているものが私物の全てとなりました。


畑仕事する時に使う仕事の道具や、確定申告の時に使用する書類もバンに入れなきゃいけないので、物を増やすことができません(笑)

だからこそ「これはすごくいい」という道具紹介が面白いなと思っています。


▼ゆかさんのnote


寝るときに「幸せな日だった」と思えたら100点


ゆかさんは今後やりたいことはありますか?

実はあまり夢ってものがないんですよね。将来どうなりたいというより夜寝る時に「あー今日も幸せだった」って思えたら100点と思っています。


若い頃に「将来のために今勉強しなさい」って言われるのがなんとなく嫌で、常に先のことを考えて動いてたら、一体いつになったら今を楽しめる人生がくるんだろうって。先のため先のためって生きてたら、死ぬ最期の日も残された人のために…という考えをもっていそうで。


せっかくの自分の人生なのに、それを楽しむ暇がなく終わるんじゃないかって思っているから、今後というより「今日はいい日だった」「今日も幸せだったな」と思えることを私は大切にしています。

日本のバンライフは幸せ

「今日はいい日だった」素敵な考え方ですね。

旅を続けたい気持ちから始まったバンでの暮らしは、今の私にすごくフィットしています。

ストレスなく本当に幸せな毎日。トラブルも含めておもしろい日々です。


寒い朝は、起きると車に置いていたジャガイモや水も凍ってて。でも、ピンチとは思わず朝から1人でクスっと笑ってしまってます。なんかもう楽しいんですよね。こうして毎日楽しく穏やかに暮らすのもいいよってことが誰かに伝わると嬉しいですね。自分の思うように、自由に生きていいんじゃないかなと私は思っています。


田舎であっても、車を走らせて30分もすれば小さな商店やスーパーマーケット、コンビニはあるのでいざという時も大丈夫。心にも余裕ができた状態で暮らしができてます。


日本は快適すぎてありがたいと思うことが多く、困難に立ち向かうみたいなことはあまりない気がします。頭を抱えるようなこともなく幸せなので、バンライフに興味がある方はポジティブな気持ちでやってみてほしいかな。

お話しを伺った方:加藤由香さん

オーストラリアやニュージーランドでテント生活をした後、帰国後はバンライフで日本旅を楽しまれている。現在は加藤旅具店をされて実際に旅で使用したおすすめの商品をnoteInstagramで紹介中!

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