年間30-40日、家族4人でハイエース+キャンピングトレーラーで車中泊しながら、サーフィンやスキーなどアウトドアを楽しむ。 冬だけ雪国で二拠点生活するなど、「旅」をテーマに場所に縛られない働き方・ライフスタイルを満喫中。
2018年の夏休み。私たち家族はかねてより念願だった「九州一周車中泊旅」に出かける予定でした。念入りに下調べをして計画を立て、長期休暇に入る前日の夜に車で出発。
ところが出発わずか9時間後に、クルマのトラブルが原因でこの車中泊旅は中止に。なぜ万全の準備をしていたのに、このようなトラブルが発生したのか。家族全員、とても楽しみにしていた車中泊旅が急遽中断されてどんな心境だったのか。
車中泊をする人にとって「北海道一周」や「九州一周」は憧れの旅ルート。私たちも、2018年の夏休みに当時小学2年生の娘と年長の息子を連れて、家族4人で「九州一周車中泊旅」をしようと、前々から計画を立てていました。
出発当日は家族全員がウキウキ!旅のルートも東名高速を使って初日は島根県に向かい、九州・四国を周って帰ってくる7泊8日のオール車中泊旅を計画していました。
ただ、今回の車中泊旅の出発前には、クルマに不具合があり修理に出していました。走行距離5000km走ったあたりで「エンジンオイル不足」の警告灯が2回表示されていたからです。ディーラーに修理に出して、夏休みに入る1週間前にクルマが戻ってきたばかりでした。修理を終えて車も万全な状態!あとは予定通りに目的地に向かうだけでした。
お盆休み前日の21時に自宅を出発しましたが、首都高はすでに大渋滞!そしてここで、車の不具合を知らせる最初のアクシデントがあったのです...
首都高を走っているところで、まさかの「エンジンオイル不足」の警告灯が点灯。「ディーラーに修理に出して戻ってきたたばかりなのに」と、とうちゃんと思わず顔を見合わせました。
もしかして何かの間違いかもしれない。ようすを見ながら車を走らせることにしましたが、東名高速道路に入ってもやはり「エンジンオイル不足」の警告灯は点灯したまま。
高速を降りてガソリンスタンドで見てもらうことにしましたが、スタンドのスタッフの方は整備の専門ではないため、エンジンオイルを1L追加し、ようすを見ることになりました。
再度東名高速に戻り、渋滞もあってようやく夜中の3時に静岡県の日本平PAに到着。ここで仮眠をとることにしました。
朝5時、仮眠を終えて東名を走っていると再び「エンジンオイル不足」の警告灯が点灯。「これはただ事ではない...!」と判断して、近くにあった浜松サービスエリアのガソリンスタンドに駆け込みました。
スタンドで見てもらったところ、「これ以上運転してはダメです!引火します!目に見えるくらいオイルが漏れてます」と言われ、一緒に車の下を覗いてみると、明らかにオイル漏れしているではありませんか。
走行不能と言われてしまい、出発9時間で車中泊旅は中止。運転して引き返すわけにもいかず、JAFを呼んで牽引してもらうことになりました。子どもたちはとうちゃんから「旅の中止」を告げられて、なにが起きたのか理解できない様子でした。
今回のクルマの不具合には、いろいろと複雑な事情がありました。もともと「エンジンオイル不足」の警告灯が点灯することが2回あり、修理に出して戻ってきたのは最初に述べたとおりです。
ディーラー側の初めの診断は、「問題なし」。「エンジンオイルを注ぎ足しておくので、1000kmくらい走ってようすを見てもらえないか」とのことでした。その場はそれで納得したのですが、あとからクルマに詳しい友人から、エンジンを開いて見てもらった方が良いというアドバイスをもらいました。
そこで再度ディーラーにクルマを持って行き、エンジンをバラして調査してもらうことに。その結果、ピストンリングの不具合から、エンジンオイルが内部燃焼している可能性があるとのことでした。そこでピストンリングも含めて交換修理してもらいました。
ところがこの時、最後にエンジンを組み上げるときにミスがあり、エンジンから異音が出る事態になってしまったのです。修理に出したのに調子が悪くなって戻ってきてしまったのでは、納得がいきません。
新品のエンジンを載せ替えてもらえるようにお願いしましたが、それはかなり難しいとの返事。組み上げたシリンダーヘッドのみ新品交換すれば直るので、そういう対応にさせてほしいとお願いされました。
ここまでが、今回の車中泊旅に出発するまでの経緯となります。そして2度の修理からクルマが戻ってきてわずか1週間、車中泊旅に出発した日にトラブルが再発。
私たちが車中泊旅を中止し帰宅した日の夕方、ディーラーの工場長が菓子折を持って自宅にやって来ました。こちらがどんなに今回の夏休みの車中泊を楽しみにしていたか、その熱い想いと、突然夏休みを奪われたやるせない想いを、工場長にぶつけました。工場長はひたすら平謝りしていました。
「私たちに最後まで責任を持って修理させてください!」と言われ、今後の賠償や補償などは後日改めて話し合うということで、その場はとりあえず収めることにしました。
その日のうちに代車のVOXY(トヨタ ヴォクシー)が来ました。お盆休みに入りレンタカーはすべて出払っていたので、アルファードなどの大きいクルマは用意できなかったそうで、家族4人での車中泊は難しいサイズです。
代車は手元にきたものの、私たちはオイル漏れ事件がショックでしばらく何にも手につかず、その日1日をダラダラ過ごしました。夏休みにどこにも出かけないなんて、今までに我が家ではあり得ません。しばらくして「さすがにこれじゃまずい!」とみんなが思い始めました。
翌朝、とうちゃんが起きてきて一言。「オレたちの夏休みを今から取り戻すぞー!!」
せっかくの夏休み、一日も無駄にしたくない!さっそく宿泊用のテントを代車のVOXYに積んで千葉を出発、私の実家のある新潟で数泊して大自然を満喫しました。
その後、車がエンジンオイル漏れを起こしている原因がわかりました。
シリンダーヘッドにはガスケットというオイル漏れを起こさないためのシール材がついています。そこがきちんとくっついておらず、オイルが噴出してしまっていたようです。エンジンはトヨタの工場で組み上がった新品に交換。オイルを被ってしまったパーツも新品交換してもらうことになりました。
大事故につながったかもしれない今回のミス。何度も施工に失敗しているディーラーとの信頼関係はすでに破綻していましたが、その後3回分の車検時の点検整備費用の無償対応をお願いすることとなりました。
車検時の点検費用を無償にしてもらうということは、3年間はこのディーラーさんとお付き合いすることになります。今回の件で縁を切ってしまうよりも、これを機に引き続き面倒を見てもらうことで、信頼関係が深まるのではないかと考えたのです。
結果的に大事故にならず、誰もケガすることなく、最悪の事態を回避することができて本当によかった。今となってはそれに尽きます。
ここまで大きなトラブルに出会う人は少ないと思いますが、車中泊旅やバンライフをしていると、クルマのトラブルと無縁というわけにはいきません。
日頃のメンテナンスももちろん大切ですが、異常を感じた際には無理に走行せず、予定を変更してでもクルマの状態を確認してもらうことで、大きな事故を防ぐことにもつながります。
年間30-40日、家族4人でハイエース+キャンピングトレーラーで車中泊しながら、サーフィンやスキーなどアウトドアを楽しむ。 冬だけ雪国で二拠点生活するなど、「旅」をテーマに場所に縛られない働き方・ライフスタイルを満喫中。