こんにちは!犬×東京に特化した犬の情報サイト「いぬのまどぐち」を運営している片寄です。
犬と1泊以上の旅に出かけるときに出てくる問題点といえば「どこに泊まるか」ということ。犬と宿泊できる宿も増えてきてはいますが、まだまだ十分とはいえません。
そこで昨今注目されているのが「ペットと車中泊をする」ことです。クルマを使い車中泊をすれば、宿泊場所に悩むこともなくなり、旅の自由度が増します。
ではペットと車中泊をする場合、どんなものを持ち、何に気をつけたら良いのでしょうか。
今回は元ドッグトレーナーである私が、ペットと車中泊をする際に気をつけるべきポイントや、あると便利な持ち物についてご紹介していきます。
「ペットと車中泊」と聞くと、狭い車内で過ごすことを窮屈そうに感じたり、「ホテルに泊まれないため仕方なくしている」というマイナスのイメージを持つかたもいらっしゃるかもしれません。
しかしペットとの車中泊には、以下のようにたくさんのメリットがあるんです!
近年「ペットの家族化」が進んだことにより、国内にはペットと一緒に泊まれるホテルや旅館などの宿泊施設が続々とオープンしています。しかし実際に宿泊するには、さまざまな「制限」があるのが現実です。
「中型犬以下」「10kg未満」「2頭まで」など、大きさや体重・頭数で制限を設けている宿泊施設が多いようです。
大型犬と暮らしているかたや多頭飼いをしているかたは、制限により宿泊する場所の選択肢が少なくなり、旅行に出かける際の大きなハードルとなっています。
ホテルなど「宿泊施設」に泊まることは難しいというケースもまだまだ多いと思います。しかし、車中泊であればペットの大きさや頭数を問わず、一緒に宿泊することが可能になるんです!
観光やアウトドアなどにペットを連れて行くことで、そのときにしか体験できない大切な瞬間を、ペットと一緒に楽しむことができます。
夏は海や川で遊んだり、ハイキングに出かけたり。冬は一緒にスキーやスノーシューなどを楽しんでも良いですよね。
最近では水族館や遊園地・神社などの観光地でも、ペット連れOKの場所が増えています。ペット連れOKの場所が増えることはとても嬉しく、ありがたいことです。
宿泊を伴うおでかけの際には、近隣のRVパークや車中泊スポットなどの利用がおすすめ。観光やお散歩を楽しんだ後、疲れたまま移動する必要もなく、車内でゆっくりと休むことができますよ。
飼い主さんと一緒にいることで、ペットもリラックスして旅行ができます。一緒というだけで安心できるため、訪れる場所に制限がなくなります。
人と同じように、ペットにもパーソナルスペースがあります。旅やおでかけに慣れていないと、キャンプ場やホテルなどに宿泊した際「ほかの犬や人との距離が近い」「知らない人の声が頻繁に聞こえる」といった状況に戸惑い、警戒したり不安になったりするのです。
不安な状態が続けば、食欲不振など体調に異変をきたしたり、吠えてしまう可能性もあります。そうなってしまうと、旅行どころではありませんよね。
まだお出かけに慣れていないペットであればなおさら、他の人や犬との距離を保つことができる「車中泊」から経験させてみるのがおすすめです。
ここまではペットと一緒に車中泊する際のメリットについてお伝えしてきましたが、当然デメリットもあります。主に「犬の健康面」に対するデメリットについて、以下でご紹介していきます。
人と同じように、車に酔ってしまうワンちゃんもいます、状態によっては震えがでたり、よだれが過剰にでるといった「車酔い」の症状がでる場合もあるんです。
クルマで長時間・長期間の移動をする予定がある場合には、「短時間クルマに乗る」といった練習を何度も繰り返したり、獣医師に相談して酔い止めを処方してもらうなど、事前にしっかりと準備をしておくのがおすすめです。
クルマ自体が自身のナワバリになってしまっている犬の場合、
・窓から見える人、犬
・自転車
・ドライブスルー
などに反応し、吠えてしまうことがあります。
そうなってしまうと、移動している間ずっと「警戒モード」となってしまうため、終始緊張した、落ち着かない状態になってしまうんです。
すでに「吠えることが習慣付いてしまっている」という場合には、ケージの中にいれたり、カーテンをつけて目隠しをするなど、警戒する対象を見せない工夫が必要です。
そうすることで、多少は「吠え」や「警戒モード」を解消することができますよ。
夏など気温が高いときに気をつけたいのは「熱中症」です。熱中症は重篤化すると死に至る、致死率の高い病気です。
熱中症は太陽が出ている「昼の時間帯」になりそうなイメージが強いと思いますが、夜間や就寝中に発症するケースもあるんです。
犬の適温は、湿度:50~60%、室温:25~28度程度だといわれています。
犬の体調の変化に気をつけながら、車内でも温湿度計を使って快適にすごせるように調整をしてください。
「車からの飛び出し・脱走」にも注意が必要です。実際にペットの飛び出しや脱走があり、悲しい事故が多数起きています。
「ちょっと扉を開けたらその隙間から出てしまった」「自動オープンの窓を自分で開けてしまった」など、クルマから脱走する機会はたくさんあります。
しかし飼い主さんが注意し、しっかりと管理していれば、脱走を防ぐことは可能です。扉や窓の開閉、車内外の出入りには十分に注意をしてくださいね。
犬と暮らしている上で苦慮する点として、相談件数がもっとも多いのは「吠え」の問題です。
そもそも犬にとって「吠える」こと自体は自然な行動です。しかしお泊まりをする際、早朝や深夜の就寝前に犬が吠えてしまっては、他の人に迷惑がかかってしまいますよね。
吠える原因の1つとして「欲求不満」が挙げられます。吠えを抑えるためにも、旅の中でしっかり犬の運動欲求を満たす時間を作ってあげましょう。
よくある勘違いですが、「無駄吠え」というのは存在しません。「なぜ吠えるのか?」を理解して、原因に対して正しい対処をすることが必要といえます。
これからも大好きなペットと一緒におでかけができるように、ひとりひとりができる限り周囲に配慮し、気をつけて行動するという心がけが必要です。
ペットとの問題で「吠え」と同じくらい相談件数が多いのが「排泄」の問題です。
「排泄物を持ち帰って!」
こんな看板を見たことはないですか?排泄物を持ち帰ることは飼い主の責任であり、当然の行動ですが、その「責任ある行動」ができていない方が多いようです。
犬とのおでかけの際には「マーキングはさせない・おしっこは流す・うんちは持ち帰る」を徹底しましょう!
「ワンツー」や「シーシー」などの言葉の合図での排泄をコントロールしたり、トイレシーツの上で排泄ができるようになると、おでかけがとてもラクになりますよ。
車内で粗相をしてしまうという場合は、ワンちゃんが1日の中でいつトイレをしたかを記録してみましょう。
記録をしていくことで、おおよその排泄のタイミングがわかってくると思います。飼い主さん自身がタイミングを把握し、普段通りの時間帯に外に行って排泄をさせる。そうすることで、車内での粗相を減らすことが可能になります。
犬と車中泊をするときにおすすめのアイテムについて、以下でいくつかご紹介します。
ケージは車中泊旅での移動中・休憩時などに使うことができます。ケージを使用することで犬の安全を守り、ゆっくりと休ませてあげることが可能になります。
「ケージ=お仕置き部屋」というイメージから「閉じ込められて可哀想」と考えるかたもいらっしゃるかもしれません。
犬は、基本的には穴蔵のような「周囲が囲われていて暗い場所」を好みます。ケージはいわゆる「犬専用の個室」として、安心して過ごすことができるんです。
実際犬の中には「ごはんの時間を邪魔されたくない」「寝ている時は1人で寝たい」という子も多いです。シーンや性格に応じてケージを使ってあげるのが良いでしょう。
またカーシェアリングやレンタカーなど、クルマを借りる際にもケージが必要になることがあります。日頃からケージに慣らしておくことで、おでかけの幅がグンと広がりますよ。
ペットショップやネットショップでは「犬用のシートベルト」が発売されています。シートベルトがあれば、万が一事故を起こしたときや事故に巻き込まれてしまった場合に、犬を守ることができます。
その他にも、車内で食事をする際や一時的にその場にいて欲しいときなどに使うことができますので、持っていると安心です。
夏になると、冷房の他にも補助的に「冷却グッズ」が必要になります。おでかけの前にアルミプレートやネッククーラー・接触冷感ブランケットや扇風機などの冷却グッズを用意しておくと安心です。
最近ではペットカートに付けられる小型扇風機や、犬の首にかけるタイプの扇風機も発売されています。実は、扇風機の風で「涼しいな」と感じられるのは、皮膚から汗が出て気化することで涼感を感じる人間だけなのです。
犬は人のように体表に汗をかくことはなく、唯一汗をかくのは「足の裏」です。基本的にはハッハッとすること(パウンティング)で熱を体外に逃がしています。
人にとっては涼しい扇風機やサーキュレーターは「暑い空気の滞留を防ぎ、空気を循環させるもの」という認識で活用するとよいでしょう。
また、冬の車中泊には、衣類・湯たんぽ・ペットヒーター・電気毛布などがおすすめ。
寒さに弱い犬種であればブルブルと震えてしまったり、耳の先が凍傷を起こしてしまうこともあります。ペット用のシュラフや羽毛布団なども発売されていますので、必要なアイテムを揃えて、犬が暖かく過ごせる環境づくりをしてあげてくださいね。
クルマで一緒に過ごす際には、お互いの健康のためにも「衛生グッズ」が必要です。「動物由来感染症」といって、「ヒト⇄動物」でうつる病気もあるんです。
その衛生グッズのひとつが「犬用の服」。車中泊の際には、体温調節ができたり、怪我や汚れ、抜け毛を防止するなど、機能性のあるお洋服を選ぶのがおすすめです。
また、外遊びをすると体に草の種・マダニ・ヒルをつけてくることもあると思います。車内と外遊び時のお洋服を着替えることで、車内をきれいな状態に保つことが可能になります。
携帯しやすい犬用トイレとしておすすめなのが、トレーが半分に折りたためるタイプのものや、シリコン製で薄く、クルクルと巻いてコンパクトになるタイプのもの。
悪天候や渋滞で車外に出れないときにも、車内で安心して使うことができます。
犬用のおむつやマナーベルトを装着することで、車内での粗相を防止できます。
一度粗相してしまうと、その場所にはにおいが残ります。犬は一度排泄した場所で排泄を繰り返す習性があるため、車内で粗相してしまったら大変です。
車中泊以外でも、カフェやホテル、ドッグランなどでもおむつやマナーベルトの装着が求められることがあるため、あらかじめ自宅で練習をしておくとよいでしょう。
「気になってかじってしまう」「ズレてしまう」などの場合には、サスペンダーをつけたり、ピタッとしたお洋服を着せてあげたりすることで解決することができます。
排泄すると、どうしても排泄物のにおいが気になってしまいますよね。「におい問題」を解決するためには「うんちが臭わない袋」や「消臭機能のついたポーチ」などを使うのがおすすめです。
普段からビニール袋で排泄物を拾っているというかたは、「臭わない袋+マナーポーチ」の最強タッグに驚くこと間違いなしです。
私も「うんちが臭わない袋」を愛用していますが、あまりにも無臭なため、袋を捨てるのを忘れて放置してしまいよく夫に注意されています・・・。
車内のにおいが気になるからと、クルマのワイパーに袋をぶら下げているかたが稀にいますが、これは「道路交通法違反」になるので絶対にやめましょう!
犬と一緒におでかけや車中泊をする上で「犬のしつけ」はとても大事です。しかしそれ以上に大事なのは「飼い主さんの過ごし方やモラル」だと思います。
現在、多くのRVパークにはまだ「ペットに関する規制」がかかっていませんが、犬と一緒に車中泊ができるスポットが今後増えるのか、減ってしまうのかは、私たち飼い主の行動にかかっているのではないでしょうか。
「ペット連れのかたは迷惑になるので、他所へどうぞ」という雰囲気が根付いてしまえば、「ペットの家族化」ではなく「ペットと人社会との分断」が進んでしまいます。
ペットを飼っている人も飼っていない人も双方が気持ちよく利用できるように、飼い主さんには、常に周囲に配慮するということを忘れないでいてほしいです。
車中泊自体は難しいものではありません。安心で楽しいペット旅にするためにも、事前にしっかりと準備し、ぜひ「自宅から近い場所」から車中泊をスタートしてみてくださいね。
犬との車中泊におすすめしたい車両が、2024年2月に販売開始したばかりのハイエースベースの車両「SAny.VAN(サニーバン)」です。
70年代のバンライフのスタイルをイメージしたレトロラインが可愛い外装、そして内装は落ち着いたアースカラーが基本色となっており、木材には高品質な無垢材が使われています。
キッチン、ベッド、サブバッテリー、照明、電源、コンロ、カーテン、ウッドシーリングなど、車中泊に必要なものはすべて揃っており、必要最低限に抑えながらも充実した内容となっています。
大人2人乗りで、子供も+1人まで就寝可能となっており、ペット連れのカップルや家族にぴったりの設計です。
ハイエースがベースなので一般的なキャンピングカーよりも運転しやすく、初心者のかたにもおすすめです。
「SAny.VAN」の詳細をもっと知りたい、資料がほしいというかたは、下記の公式ウェブサイトからお気軽にお問い合わせください。
記事の最後でご紹介した「SAny.VAN」は、Carstayでレンタル車両として貸し出しも行っています。
ペットはケージに入れていただくことを条件に乗車可能となっており、追加料金や乗車するペットの数に制限はありません。
料金は、1泊(24時間)15,000円〜と、高品質な設備が整う最新車両ながらリーズナブルな料金設定です。
また、シュラフやキャンプチェアなど多数オプションも用意されているので、手ぶらでもペットと一緒にキャンプを満喫できますよ。
まずはレンタルして使ってみてから購入を検討することができるので、ぜひお試しください!