Carstayに登録されている鎌倉・七里ヶ浜のワーゲンバスは、かわいい見た目と旧車ならではの仕様が人気の一台。
前回はこのワーゲンバスのホルダーである小川コータさんにお話を伺いました。
そして今回は、このワーゲンバスを利用された熊谷友之さんと齋藤慈之さんにインタビュー。Carstayを使ったきっかけと、バンライフについて思うこと、今のライフスタイルについてお話を伺いました。
左から熊谷さん、齋藤さん
昨年の11月末にCarstayを使ってキャンプをした2人。都内の不動産会社に勤務しながら、昨年の9月から会社の同期4人で七里ヶ浜にお家を借りて、東京と鎌倉での二拠点生活をしています。
齋藤さん:
大学時代にアメリカに留学していて、国内を横断したり旅をしながら暮らす人たちに出会ったんです。バンライフという言葉はそのころに知りました。
バンライフといえば、留学先のロサンゼルスからニューオリンズまで友人たちと1週間くらいかけて車で行ったことがあります。モーテルに泊まりながら移動していたので車中泊メインではありませんでしたが、モニュメントバレーで朝陽を見るために暗いうちから車を停めてスタンバイしたのは楽しい思い出です。
留学先の大学では、アウトドアキャンピングの授業をとっていました。2泊3日キャンプをして単位をとる、というような内容です(笑)
ただ、キャンプといっても、テントはないし、風呂も川だし、トイレも自分で掘るとかで、チルキャンプというよりはサバイバル。野生のクマが来たときの対処法も習いました。
留学のときに体験したことや得た感覚が今の価値観につながっていて、自然が感じられる場所に拠点をもちたいと思うようになりました。
熊谷さん:
僕は社会人1、2年目のときにスキー場の運営に関わる仕事をしていたため山に出張することが多くありました。
そこで山の魅力に触れ、キャンプやアウトドアに興味をもちました。空気がおいしいこと、星空がきれいなこと。あとは野外サウナが好きになったのもアウトドアに興味をもったきっかけです。
あとは、学生時代に家族や友人とよく海沿いに出かけていたこともあって、海の近くで暮らしてみたいなという思いをもっていました。
熊谷さん:
もともと「バンライフ」や「キャンピングカー」という言葉はよくしげ(齋藤さん)から聞いていて興味があったので、旅系のWEBサイトを見ていたんですが、そのニュース記事でバンタメ*イベントを知りました。モバイルサウナもある!と知ってこれはぜひ行きたいと思いました(笑)
*バンタメ:2020年11月に山梨県西湖で開かれた「バンターテイメント」キャンプイベント
齋藤さん:
くま(熊谷さん)にその情報を共有されてからすぐ予約しました。
イベントページに車を借りられるサイトのリンクがあったので、そこからワーゲンバスを予約したんですが、後になって、その予約プラットフォームがCarstayサービスだったことを知りました。
熊谷さん:
冬キャンプはしたことがあったんですが、車中泊は今回が初めてでした。男4人で車中泊したのはとても楽しかったです。ワーゲンバスにあった可動式のキッチンコンロやシンクも活用してアヒージョとか作りました。夜はキャンプサイトの焚き火のところに行ったり、ゆっくりしてましたね。
お話を聞く中で、北欧の文化用語「Hygge(ヒュッゲ)」の話になりました。ヒュッゲは、心地よい暮らしやもの、時間の流れのことを総称するデンマークの言葉。2人が大事にしている「ヒュッゲ」と、価値観についてお聞きしました。
齋藤さん:
「ヒュッゲ」を知ったのは、あるとき日経新聞を読んでいて「翻訳できない世界の言葉」という記事を読んだのがきっかけです。日本語で言うところの詫びさびとか木漏れ日とか、そういう言葉をまとめた絵本があって、そのなかで北欧の言葉をいくつか知って、面白いなと思って調べていったときに知った言葉です。
熊谷さん:
一人暮らしを始めたとき、しげ(齋藤さん)が家に遊びに来てくれたんですが、家に置いている物ひとつひとつに興味をもってくれたんですよね。それで「もしかして好きなものや考えていることが似ているのでは…!?」と思って、自分はこういう空間が好きで、こういう時間の過ごし方がしたくて、という話をしたら、しげが嬉しそうに「くま、ヒュッゲって知ってる?」と(笑)
それでその「ヒュッゲ」という言葉を調べたら、まさに今まで無意識に大切にしていた価値観が言語化されていて衝撃を受けました。理想とする暮らし方の要素が一つの言葉に集約された瞬間でした。この言葉は一生大切にしたいと思っています。
熊谷さん:
考え方も好きなものもここまで似てる人って人生で初めて会ったんです。ちょっと気持ち悪いくらいに(笑)
齋藤さん:
それからは、自分たちが居心地のいいと思える空間を人と共有するっておもしろいんじゃない?という話になり、2人で新しい拠点をつくって、そこで空間づくりにトライすることに決まりました。
都内と七里ヶ浜で二拠点生活をしているみなさん
熊谷さん:
二拠点生活はお金も関わるし、同じ価値観や趣味を持っている人でないとなかなか踏み切れない部分もあると思うのですが、不動産会社勤務なのもあってライフスタイルや空間づくりに興味をもっている人が周りに多く、共感してくれる人が集まりました。最終的に会社の同期4人で始めることにしました。
熊谷さん:
家探しの要素は「開放感」や「海が見える」とかいろいろあって、仲介業者もたくさんあたりました。なかなか「ここだ」と思うところが見つからなかったのですが、半年経ってこの七里ヶ浜の物件を紹介してもらったんです。入ったときに窓の外に広がる海がすごくいいなと思って、ここに決めました。庭もあるので、ここで海を見ながらテントサウナなんて最高ですね(笑)
大人になってからもワクワクする場所は必要だと思うので、ここは大人の秘密基地みたいな場所にしたいと考えています。そのひとつとして都内の1KではできないDIYを大規模にやってみたり、各々が好きなことをただやる場所にできたらいいな。
齋藤さん:
社会人になるときから二拠点生活はやってみたいと思っていたので、今その夢が実現できているのは幸せです。平日の仕事も大事だけど、ここで過ごす生活とのバランスは常に考えていたいです。
ほしい暮らし方を先に決めていて、「自分はこういう生き方をしたいんだ」って正面切って言える大人ってかっこいいなと思うんですよね。
ワーゲンバスのホルダーの小川コータさんと
2人と話していると、自分たちの空間も、周りの人たちとの時間や空間も大切にしたい、という想いが随所から伝わってきました。今までの経験や本から得た考え方、そして様々な場所で出会った人たちに影響されて今の暮らし方につながっている、という熊谷さんと齋藤さん。ときどき窓の外に見える海を見つつ、穏やかに話す姿がとても素敵でした。
2人が更新している七里ヶ浜での二拠点生活の様子はこちら!