バンライフをしながら、webライターとして南米の魅力を発信する料理人。 南米チリでトラックキャンパーをパートナーと購入し、日本と同じように、海外でも旅するような暮らしを実践しています。 各国の自然の中でキャンプやトレッキングしたり、各国の美味しいものを食べるのが好きです。南米で、毎日起こるトラブルやスペイン語に奮闘する様子を、SNSで発信しています。
私はいま、南米でバンライフをしています。旅を始めるまでは、自分たちの他に現地でバンライフをしている人がいるのかがわからず、少し不安がありました。
しかし、実際に現地でバンライフをしてみると、「バンライファーに出会わない日はない!」というくらい、世界中から来て旅をしているバンライファーに出会いますし、おもしろいキャンピングカーもよく見かけるんですよ。
私が現地で出会ったバンライファーの国籍はさまざまですが、どんなトラブルも笑い話にしてしまうような「おおらかさ」が共通している気がします。
また、南米に来るまではラテンの国々の違いなどはまったく知りませんでしたが、各国を旅しながら出会ったバンライファーと話をしてみると、それぞれの国の特徴や経済状況などが、少しずつ見えるようになりました。
今回の記事では、南米バンライフ中に出会ったユニークなバンライファーたちについて、その多様な生き方や旅に出たきっかけなどをご紹介していきたいと思います。
私が南米で出会ったヨーロッパのバンライファー。国籍はさまざまですが、特にドイツ、フランス、スイスのかたが多い印象です。年代は30代より上の世代の方がとても多く、カップルや家族でバンライフをしているようです。
バンライフするための車は、南米にきてから購入したり、船でヨーロッパから送ったり、期間限定でレンタカーをするなど人それぞれ。私たちは、チリのサンティアゴでキャンピングカーの購入を外国人に仲介している「OVERANDES」という会社から購入しました。
「OVERANDES」オーナーのフアンは英語が堪能で、オーナーチェンジや車検・車にかかる税金の手続きを、スペイン語がわからない私たちのために代行してくれました。
フアン夫妻も元々バンライファーだったそう。コロナ中は車を長期で預かったり、ヨーロッパの持ち主に車を輸送したり、いろいろなサービスを請け負っています。
旅が始まってからも困ったことがあったときには力になってくれるため、大変助かっています。チリでキャンピングカーを売買したい人にはおすすめです。
チリは南米ではかなり経済が安定しており、外国人でも車の所有者になることが可能。その他にも、ニュージーランド、韓国、カナダ、ドイツ、フランス、アメリカなどさまざまな国籍の人が、同じ会社からキャンピングカーを買っていました。
長期で旅行しているヨーロッパ人は、船で南米まで車を輸送している人も多いです。「イギリスから旅にでて5年かけて南アフリカまで到達し、ウルグアイに車両を輸送。今後7年かけて世界をバンライフする」という家族とも出会いました。かなり壮大なスケールのバンライフですよね!
バンライファー同士が出会うと、自然とどこで車を買ったか、いつから旅をしているのか、どのルートを通ってきたか、という話によくなります。ただ、スペイン語やポルトガル語が多いため、英語が通じない時は、翻訳アプリを使う必要があります。
チリで出会ったスイス人のカップルは、人生6台目のキャンピングカーでバンライフ中だといいます。
エンジニアのスティーブは、オーストラリアで何台かキャンピングカーを自分で作り、サーフトリップに出ていました。40代になり、カップルで初めて南米へバンライフ旅に来たとのこと。スイスで住んでいた家や仕事を引き払い、期間を決めずに旅しているそうです。
私が彼らと話をしていて共感したのは「バンライフ中に誰かと待ち合わせをすると、予定通りに行けなくて焦ってしまう」という話でした。
スイスから来た家族と待ち合わせの場所に向かったていたら、タイヤがパンクしてヨーロッパ仕様のタイヤが見つからず、修理のために家族を3日も(!)待たせてしまったことがあったそう。
南米バンライファーによくある話なのか、私たちも以前同様のトラブルがありました。南米は広大なエリアなので、できるだけ予定を入れず、気長にマイペースに旅するのが1番だと思います。
2人は現在、チリから北上してペルーでのバンライフを楽しんでいます。
私が出会ったアルゼンチン人は、多くのかたが「自作キャンピングカー」で旅をしていました。家族バンライファーも多く、バスを改造したりキャラバンの内装を自作したり、自由な発想で車を作っている家族をたくさんみかけました。
アルゼンチンは、政治や経済の不安定さからインフレの真っ只中で、2023年9月現在、半年で物価が2.5倍上がっています。輸入制限も厳しく、海外製の電化製品や車用品はびっくりするほど高額!日本の方が低価格な商品も、たくさんありました。
お金をあまりかけず、手頃にキャンピングカーを制作するには、各部品を自分で買って工事するのが1番です。知り合った多くのアルゼンチン人は、オンラインショップで部品を買っており、ディーゼルヒーター、内装、エアコンなども自分で取り付けをしていました。
また、多くのアルゼンチンバンライファーが、あまり国境を超えることなく「国内バンライフ旅」を楽しんでいるようでした。アルゼンチンペソは現在価値が下がる一方なので、アルゼンチン国外では両替がしづらく、国外旅行を避けている印象です。
広大な国土を誇り、東西南北でまったく違う自然の景色を見せてくれるアルゼンチンはバンライフに適している場所。私たちも4か月ほど過ごしましたが、ワイン、オリーブ、牛肉、果物、野菜など、食材はすべてが豊かでおいしいんです。国外に出るのが名残り惜しくなるほど、大好きな国になりました。
チリで出会ったのは、パラグアイの仲良しバンライファーご夫婦。旦那さんは、会社経営をしながらリモートで税理士の仕事もこなしつつ、旅をしているそうです。
私たちはご夫妻と出会ってすぐに意気投合!ランチもご馳走になりました。
ブラジルの会社にフルカスタマイズしてもらったという車は、ピカピカの新品。キッチン、ダイニング、ベッドルームが備わっており、トイレと折りたたみ式の洗面台は、シャワー室と通路を挟んで別の部屋にありました。
車の外にはテレビや2つ目のキッチンまで完備されていました。「こんな車で旅できたら快適だろうな」と惚れ惚れするようなキャンピングカーです。
奥さんはドローンを飛ばして動画を撮影し、YouTubeをこまめに更新。SNSでの発信も活発です。何歳になってもチャレンジ精神を忘れないおふたりはとても若々しく感じます。
現在はベネズエラをバンライフしているようですが、またどこかで再会したいと思う、素敵なご夫婦でした。
ブラジル人のおふたりは、元々オートバイで2人旅をしていましたが、新しく購入した車を自分たちで改造して南米バンライフに出発したそうです。バスを改造した車は「オール電化住宅」で家のような広さと美しさ!キッチンは広く冷蔵庫も大型で、広々したシャワーやトイレが完備されています。
この暖房が効く快適な車両で、アルプス山脈にスキーやスノーボードをしに行くそうです。
私たちの車は、旅をしているとボロが出てくる築30年以上のキャンピングカーで暖房設備がなく、雪道も運転する自信がないため冬を避けるようなルートで旅をしています。そのため、暖房設備完備のおふたりの車両がとても羨ましいです。
ブラジルは人口が2億人と多く、経済も南米発展も著しい豊かな国ということもあり、きれいでハイテクな車に改造された車で旅する人が多い印象を受けました。
南米大陸は、暮らしやすい物価・豊かな自然・エキゾチックな街など魅力がたくさんあります。世界中の人々がこの地の集まるのも納得です。
南米で出会うバンライファーと話していると、私たち自身を含めて、みんな良い意味で各国の「変わり者」だと感じました。「自分の国では周囲にバンライフをしている人はいなかったけれど、おもしろそうだから旅に出た!」というかたが多く、バンライファー同士意気投合しています。
今後の旅でも、変わり者で魅力がたくさんの「世界のバンライファーたち」と出会っていきたいです。
バンライフをしながら、webライターとして南米の魅力を発信する料理人。 南米チリでトラックキャンパーをパートナーと購入し、日本と同じように、海外でも旅するような暮らしを実践しています。 各国の自然の中でキャンプやトレッキングしたり、各国の美味しいものを食べるのが好きです。南米で、毎日起こるトラブルやスペイン語に奮闘する様子を、SNSで発信しています。