バンライフをしながら、webライターとして南米の魅力を発信する料理人。 南米チリでトラックキャンパーをパートナーと購入し、日本と同じように、海外でも旅するような暮らしを実践しています。 各国の自然の中でキャンプやトレッキングしたり、各国の美味しいものを食べるのが好きです。南米で、毎日起こるトラブルやスペイン語に奮闘する様子を、SNSで発信しています。
アルゼンチンをバンライフしてきて、キャンプ場や国立公園など、いろいろなところで車中泊をしてきました。そのなかでも、私たちが特にお世話になっているのが「ガソリンスタンド」!
今まで通ってきたアルゼンチン南部は、びっくりするような強風が常に吹いている過酷な環境のエリアです。
そのような道でたびたび現れるガソリンスタンドには、ガソリンの補充だけではなく、トイレ、シャワー、カフェ、WiFi、水分補給など、場所によってサービスに違いはありますが、旅に必要不可欠な設備が整っているんですよ。
今回は、アルゼンチンでのバンライフにはなくてはならない「ガソリンスタンド」について、ご紹介します。
バンライフを南米で始めてから、チリを南下してアルゼンチンに渡り、南米大陸の最南端から大西洋側を北上してきています。このルートは、ペンギンやアザラシがたくさん見える国立公園や、シャチやクジラが見られる世界遺産のバルデス半島があり、とても魅力的なエリアです。
しかし、南部のアルゼンチンにはあまり人が住んでいないため、キャンプ場や、車中泊で泊まれるような場所が少ないんですよね。
そんななか、何もない荒野の中から出現するガソリンスタンドは、まさにオアシス。長距離運転してきたトラックや、バンライファーたちが常に泊まっています。ガソリンスタンドは敷地内に宿が併設されている場所もあり、ドライブする人々の憩いの場所になっているようです。
途中の道路は電波もつながらない場所が多いため、インフラが整っていてネットも繋がるガソリンスタンドを、心待ちにしながらドライブする日もあるんですよ。
私たちがよく泊まっていたのは、「YPF」という国営石油会社のガソリンスタンドです。アルゼンチンのガソリンは、2023年5月現在、1リットルが70円(!)と、破格の安さ。
国内からガソリンが採掘されることと、補助金が出ていること、アルゼンチン・ペソの価値が下がっている関係で安くなっているそうです。
ガソリンを満タンにするとチリでは12,000円位かかっていましたが、アルゼンチンでは4,000円ほどと、1/3程度の価格。しかし現在では、さまざまな要因から経済が不安定で、日に日にガソリン価格も上がっています。
私たちがアルゼンチンにいる3ヶ月の間だけで、ガソリン価格がなんと1.5倍も上昇したんですよ!
日本のようなセルフでガソリンを入れる場所はまだみたことがなく、ほぼすべての場所でスタッフが24時間常駐しています。車中泊していても「誰かがいてくれる」という安心感があることも、ガソリンスタンドに泊まりやすい理由のひとつだと思います。
その他には、Axion Energy、Puma Energyといった会社があり、どのガソリンスタンドもカフェやシャワーを併設しています。
私たちがいろいろなガソリンスタンドで車中泊をしてきたなかで、「こんなものもあるんだ!」とびっくりした、驚きの設備をいくつかご紹介します。
実際利用して感じる傾向は、周りに何もない砂漠のようなガソリンスタンドほど設備が整っているということ。街中にあるガソリンスタンドは、近隣にホテルなどの宿泊施設があるので、スタンド自体も狭く、車中泊するスペースもないことが多いです。
そのため、事前に口コミなどを調べてから、設備が良さそうなガソリンスタンドを選んで行くようにしています。
YPFのガソリンスタンドには、「FULL」というカフェが併設されているところがよくあります。
カフェとコンビニを合わせたような雰囲気で、コーヒーを飲みながら作業したり、軽食を買うことができます。よく売られている定番メニューは、コーヒーとメディアルナというクロワッサンの形をしたパンのセットで、300円位で注文することが可能です。
電源やUSB充電ができるエリアもあるので、私たちもミーティングをしたり、パソコン作業に利用しています。しかし、Wi-Fiの速度は場所によってさまざまで、どこも安定しているという訳ではありません。
また、私たちのキャンピングカーには暖房がないので、アルゼンチン南部の寒いエリアでは暖かいカフェに暖をとりによく行っていました。
ガソリンスタンドには、トイレはもちろん、シャワーが完備されている場所もあります。広い国土を運転する長距離運転のトラックも多いので、その運転手のためかもしれませんね。トラック運転手以外も使わせてもらえるのは、とてもありがたいです。
シャワーを利用する際は、カフェでシャワーの代金を払います。そうすると、トイレの中にあるシャワーの鍵を開けてもらうことができるんです。シャワーの料金は大体60円〜200円くらいで、時間に制限なく使うことが可能です。
場所によって設備・水圧・温度などが違うので、実際に行って使ってみなければ、シャワーがどんな状態かわかりません。ドアのノブが壊れて回せないことや、排水が悪くて床を水浸しにしてしまったこと、水圧が悪かったり、ほぼ水のシャワーを耐えて浴びることもありました。
いつも「熱いお湯が高圧で出ること」を祈りながら使っています。
どこもスタッフがいるので、毎日掃除されていて、古くても清潔感はあるのは良い点だと思います。
ガソリンスタンドにはお湯が出る機械があり、多くの場所で無料で利用することができます。有料でも10円〜30円くらいなので、好きなだけお湯を補充することが可能です。
アルゼンチンには「マテ茶」というお茶があって、緑茶のような乾いた葉っぱにお湯を入れて飲む文化があります。そのマテ茶用のお湯を、ガソリンスタンドでも提供している、ということのようです。
もちろんマテ以外にも使えるので、温かいお湯をもらって料理に使ったりもしています。
キャンピングカーに水を補充したい時には、ガソリンスタンドのスタッフにその旨を伝えると、ホースでクルマのタンクに水を入れさせてくれたり、ペットボトルに蛇口から汲ませてもらうことができます。
水が乏しい乾燥地帯では補充を断られることもあるため、ガソリンをいれるときには「水を補充できるか」を忘れずに聞くようにしています。
また、今まで行った大半のガソリンスタンドでは「飲める水」だといわれましたが、場所によっては少し濁っているところもありました。
飲むかどうかは「自己責任」といったところです。
ガソリンスタンドには空気圧をチェックする機械があるので、定期的にチェックするようにしています。
日本では空気圧のチェックをしたことはなかったのですが、こちらは無舗装道路も多く、一度強風の砂漠のような場所でタイヤがバーストしてしまってからは、気をつけてこまめにチェックするようになりました。
タイヤに空気を入れていると、いつも近くにいる人がやって来て手伝ってくれます。アルゼンチンやチリの人は、親切で世話焼きでとてもおもしろいです。
日本との違いがたくさんある、アルゼンチンのガソリンスタンドの設備をご紹介しました。
記事でご紹介した設備以外にも、ゴミ箱が常備されている・バーベキュー施設がある・ピクニックテーブルがある・バスターミナルが併設されているなど、ユニークな所がいくつもありました。
なかには、ガソリンスタンドの顔のような看板犬がいる場所もあったんですよ!
設備は場所によってさまざまなのですが、どのガソリンスタンドもスタッフがフレンドリーで、車中泊をしやすいです。
南米に来る前は「どこで車中泊すればいいのか」「他にバンライファーはいるのか」等、何もわからない状態でした。しかし、実際に来てみると、バンライファーを見ない日はないです。ガソリンスタンドで他の国のバンライファーたちと情報交換をしながら、なんとか旅を続けられています。
ガソリンスタンドで車中泊をしているバンライファーたちの、ユニークなキャンピングカーを見ることも、旅の楽しみのひとつになってきています。
広い国土であっても、行く方向は決まっています。ガソリンスタンドは他の旅人と再会したり、長い道路の運転から休憩できる場所であったりと、人と交流する拠点としての役割もあるようです。
バンライフをしながら、webライターとして南米の魅力を発信する料理人。 南米チリでトラックキャンパーをパートナーと購入し、日本と同じように、海外でも旅するような暮らしを実践しています。 各国の自然の中でキャンプやトレッキングしたり、各国の美味しいものを食べるのが好きです。南米で、毎日起こるトラブルやスペイン語に奮闘する様子を、SNSで発信しています。