大都市、東京でCarstay登録をされている「POD」。
世界中のVan lifeでお馴染みの、メルセデスベンツ・スプリンターをベースにした大きなバンの内部には、インテリアデザインにこだわりが施されています。
いくつも工夫が凝らされた車のCarstayホルダーである「 Vantrippers」齊藤さんと神保さんへお話を伺いました。
齊藤さん:私は住宅に特化したインテリアデザイン事務所「utide」で家づくりをしています。
子供達が生まれてからキャンプをするようになったのですが、テントの寝心地が悪く、設営も大変なので、キャンピングカーの購入を検討するようになりました。
初めはモーターショーへ足を運び、見に行ったのですが、イメージした「動く家」のようなキャンピングカーに出逢えず購入を断念しました。そんな時、知人経由で神保さんを紹介されたんです。彼が考える「ライフスタイルに密接に関わるようなVan life」の世界観に強く共感され、一緒にキャンピングカーを作りたいと思いました。
神保さん:僕自身も齊藤さんが手掛けられている空間デザインに魅力を感じました。
僕が運営しているオンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」内の企画として「POD」の製作が始まりました。
そこからスピンオフ的なプロジェクトで「Vantrippers」ができました。
齊藤さん:「無理をしてキャンピングライフを送らなくていい」ことはPOD製作にあたり大切にしました。
まず、車の後ろにはキングサイズのベッドがあり、その上には折りたたみ式のシングルベッドが2つあります。
多くのキャンピングカーはベッドを作る手間がかかりますが、PODは寝たい時にすぐに寝られるようになっています。
ヒッチキャリアも付いているので、使い方は多種多様。
サーファーのお客様はサーフボードを載せておられましたね。
また、PODは荷台を引き出すとキッチンになり、外の景色を楽しみながら料理ができます。
さらにフロントと助手席が回転するので、デッドスペースがなく、広いリビングとして車内を活用できます。
神保さん:電気自動車のリチウムイオンバッテリーも搭載しています。
災害時には「動く電気」として使用できますし、いろんな機器が充電可能です。
齊藤さん:車内でPCを充電しながらリモートワークができます。プロジェクターで映画や動画も観られます。
無理をせずに快適さを手に入れられることが一番の魅力ですね。
ただ、この車はスピードはそんなに出ません。坂道で運転をする時はパッシングをされないか冷や汗が出ることもあります。
けれども「キャンピングライフはゆっくり運転するもの」と神保さんに言われ納得しました。
今はこのスピード感にも慣れました。
齊藤さん:POD製作から1年後、モーターショーへ足を運ぶと、運転するのが楽そうな、室内も快適な市販のキャンピングカー「HYMER」を見つけて、神保さんにも見てもらい購入しました。
神保さん:PODと比較をすると車内バッテリーの電力が足りないので、現在カスタム計画中です。
HYMERには車内にキッチンがあるため、雨の日のキャンプでも安心して料理ができます。
齊藤さん:PODを製作する前からレンタルシェアすることを考えていました。
キャンピングカーを購入しても年間で何回乗るのか分からないですし、「買ったから乗らないと」とネガティブな気持ちで乗ることは嫌でした。
神保さん:最初は他サイトで貸し出しをしていたのですが、なかなか予約が入りませんでした。
そのような中、一昨年頃 Carstayを紹介されました。
借りてくださる方との窓口を増やしたくてホルダー登録をすることを決めました。
神保さん:今まで出逢えなかった方に自身の活動を知ってもらえたり、繋がりが生まれたりすることは登録をして得られたことだと思います。
また、PODを見た子供たちが喜んでいる姿を見れることも印象深いです。
「パパ、今日はこの車に乗るの!?」と嬉しそうに家族に話す姿を見るのは、やっぱり嬉しいですね。
齊藤さん:PODの1ユーザーとしても、気づいたことがありました。
子供たちにとって、キャンピングカーは家のよう。
Wi-Fiと電源があるので、外での遊びに疲れたら、車内でゲームをしたり、映画を観たりしています。
大人もそうです。外で自然を楽しみつつ、仕事をするときはキャンピングカーでオンライン会議をしたりメールをチェックしたり。
各々の生活をそのまま好きな場所へ持って行けることが良いですね。
また、子供が赤ちゃんだった頃、キャンプ場で泣かれることは本当に辛かったです。
周りの方が自然を楽しんでる中で申し訳ない気持ちになりました。
けれども、キャンピングカーがあれば泣き声は周囲に聞こえません。
赤ちゃん連れの家族にも、キャンピングカーは強くおすすめできます。
神保さん:思い立った時に、自由に旅ができるのがバンライフだと思います。気になった車があったらレンタルして、また別の車をレンタルして、と、自由気ままに試してみるくらいの手軽さが良いと思います。
齊藤さん:キャンプが好きだからアクティブに動く、でなくてもいいと思います。都会の生活の良さも知っているので、自分にとって心地よい生活は維持しつつ、行きたい場所へそれを持ち運んでくれるバンライフが好きですね。
実はインタビュー当日、録画・録音共に出来ないという危機的なアクシデントが発生。
それでも記事を書き上げられたのはお二人のお話の面白さ、興味深さが脳内に強く残っているからだな、と感じています。
得意を活かし合いながら、作りたい暮らしを作る物語はお金を得るための仕事ではなく、これこそ「ライフワーク」と気付かされました。
次はどのような暮らしを作られるのか、お話を伺えるのか楽しみです。
「utide」にてインテリアデザイナーをされている齊藤さんがオンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」を運営する神保さんへキャンピングカーの製作を依頼したことから始まったプロジェクト「Vantrippers」。「POD」や「HYMER」をCarstayへ車両登録されているキャンピングカーホルダーさんです。