バンライフやキャンピングカーをSNSで目にする機会が増え、認知度の高まりを感じます。
今回ご紹介するバンライフ狂の2人、るいぱちさん・小娘さんも、SNSで自身の車中泊生活を発信されています。
日本一周旅をする中で、今まで知ることのなかった全国の景色や食べ物はもちろんですが、夏は海へ、冬は雪山でスノーボード等でアクティブに遊び、各地方の混浴温泉や野天風呂に浸かり、色気を感じる姿も発信。
自らを「過激派、特殊」なバンライファーと呼んでいます。
けれども、バンライファーの中での過激派、特殊とは何を指すのでしょうか。
バンライフにおける「普通」はあるのでしょうか。
バンライフが一般的になってきている今こそ、その問いをバンライフ狂さんの生き様や想いから一緒に考えてみたいと思います。
るいぱちさん:僕と小娘は地元が栃木県で、小娘が7歳の時から家族ぐるみで仲良くしていました。
実は、僕が小娘の腹違いの姉と昔付き合っていたことがあって、その時に「私の妹だよ」と紹介されたのが小娘でした。
本当に小さな頃から知っているので、妹みたいに可愛がっていましたね。
小娘さん:私が社会人になってからも、なかなか会う機会はなかったものの、気にかけてくれているのは耳にしてました。
お互い違う道を歩んでいて、最後に会ったのは20歳の時。
それから7年後に、久しぶりにるいぱちから「バンライフいいだろ!」と突然のメッセージといくつかのYouTubeが送られてきたんです。(笑)
るいぱちさん:そうそう。その1週間後に友達から遊びに誘われて、小娘も合流して、一緒に楽しく飲んで、その日から付き合い始めました。
小娘さん:昔から、るいぱちは気になる存在だったんです。
るいぱちは、私や私の家族のことまで理解してくれて、他者の目を気にせずに振る舞える器の大きい人。
だからこそ、過去のバックグラウンドは関係なく、他の人にはない安心感があるんです。
小学生の頃から、るいぱちが好きだったんですよね。(笑)
るいぱちさん:コロナによって、僕も小娘も生活が変わったことがきっかけですね。
僕は小娘と付き合う前に飲食店を経営していました。
会社的には年々売り上げも上り調子でしたが、会社設立から5年目を迎えた時に、銀行を通して中国の会社から雇われ社長のお話をいただきました。
中国で飲食事業の展開をする新たなステージに進んでみようと思い、会社を売却する事を決意したタイミングで、コロナが流行したんです。
中国への渡航はできなくなり、会社を売却した利益で生活をすることになります。
外出もできないし、地元の友達にもなかなか会えなくなり、ひたすら家の中でエアロバイクを漕いで、YouTubeやNetflixを観るばかりの生活を2年間送っていました。
よく観ていたのはバンライフの動画だったんです。
いつかはしてみたいけれども、以前は多忙でできなかった憧れのバンライフ。家の中ばかりの生活に辟易としていたので、「今しかない!」と決心し、所有していた車を売って、バンライフ用にハイエースを購入しました。
小娘さん:私はキャバクラ勤務でしたが、コロナの影響で思うようには働けない状況でしたね。
他のことにも挑戦しようと、独学でネイルアートを勉強していましたが、コロナで検定が中止になってしまいました。人生を見直していた時期に、るいぱちと再会して付き合い、提案されたのがバンライフでした。
私はアウトドア派ではないし、BBQもしたことがありません。(笑)
けれども、るいぱちと一緒ならどこでも生きていける謎の自信がありましたし、地元の狭い世界から出ていろんな景色を見てみたい気持ちもあり、バンライフを始めることにしました。
るいぱちさん:令和3年3月3日にハイエースが納車され、3か月かけて改造することから始めました。
既存のキャンピングカーは値段も高いし、大人2人と犬1匹のバンライフを快適に過ごすために、自分たち好みにカスタマイズしたかったんです。
DIYした車で、まずは1週間の短期車中泊を経験することから始めました。
その時に収入や出費等の金銭面を考えると、日本一周に家は不要になり、引き払うことを決めました。
「稼ぎはどうする?」と慎重になっていたものの、小娘の「背水の陣でやろう!ダメになったら旅先で働けばいいし!」と勢いがある提案を受け、旅に向けて動き始めました。
小娘さん:納車と同じタイミングでYouTubeでの発信を始めました。
開始から8か月間は収益はなく、日本一周を始めて2か月が過ぎる頃の10月に、やっと登録人数が1,000名に伸びて初めての収益化を実現できました。
一番最初の月の収益は1000円程度だったと思います。(笑)
それでも、11月に9,000円程度の入金を確認した時は、本当に嬉しかったですね。
るいぱちさん:僕たちのクルマはハイエースなので、収納力には自信がありますね。
小娘は派手でギャルなので、持ち物にこだわりを持っています。何種類ものブーツ、ヒール、化粧品、コテ、とたくさん載せているんですよね。
小娘さん:シャワー以外は基本的に何でも載せられるよね。
プロジェクターやゲーム機、コーヒーミルやトースターも載せています。
家でしていた生活や持ち物をそのままハイエースに持ち込んで、自分たちが好きな環境をつくっています。
私たちが好きなことをする姿勢は、発信する内容にも共通していると思います。
ワクワクしたことや感じたことを、自分たちらしく発信しています。
バンライファーが増えている中で、SNSには彼らが発信する旅で出会った綺麗な景色が溢れていると感じます。
もしかしたら、それがお作法なのかもしれません。
でも、画面に見える同じような旅路や景色にワクワクするのでしょうか。
バンライファーは、それぞれで実現したい生活やワクワクする感性があるはず。だから、私たちも、自分たちだからこそできることを大切にしたいんです。
るいぱちさん:「ギャルだからこんな考え方なんだろう」と思い込まれているかもしれませんが、僕たちは、したいことに真剣に向き合っています。
小娘さん:車内や発信内容以外で、バンライフをする中でのマナーにもこだわっています。
道の駅では、時々トイレの中にゴミを置きざりにしていたり、ごみ箱も溢れかえっていたりする様子が見られます。
誰もが快適に過ごせるスペースを作れるように、ゴミの処理はこまめに分別する工夫をしています。
るいぱちさん:僕たちの旅のテーマは「移住先を決めること」です。
日本を周る中で、心地よい場所にいくつも出逢ってきたので、今度は、拠点づくりに挑みたいですね。
土地ごと購入して、外にはトイレやシャワーを置きながら、普段の暮らしはハイエースの中でしてみる、なんてワクワクします。
小娘さん:るいぱちと一緒にいられるなら何でもいいです!
バンライフ以外では、YouTube以外の収益もつくっていきたいですね。今後は、洋服が好きなので、アパレル事業も挑戦してみたいです。
実は以前、アカウントをハッキングされ、心身共に辛い時期がありましたが、今は乗り越えましたし、だいぶ強くなりました。
バンライフのおかげで、毎日違う景色や人との出会いがあり、今まで知らなかった日本を知り視野も広がりました。
この生き方を選ばないと得られなかった感情や経験を、これからも増やしていきたいです。
2021年から、真夏の海や豪雪地域の雪山で季節のアクティビティを楽しむようすのほか、“ギャル”ならではのバンライフの過ごし方をYouTubeで発信するカップル。現在、ハイエースをベース車両にDIYしたキャンピングカーで暮らしている。