今回、レクサスRXで日本の全市町村を巡り、YouTubeにVR映像を投稿している「はるたかチャンネルJAPAN VR TRAVEL」のはるさんとたかさんにインタビューをしてきました。
静岡を拠点にして全国を回ることに決めたおふたりがバンライフを始めたきっかけや、実際のバンライフのようすなどをご紹介します。
たかさん:バンライフは2020年9月から始めました。(現在は緊急事態宣言のため一時的に中断中)
もともとクルマ旅が好きで、はると付き合い始めてからも愛車でよく旅行に出かけていました。2人で車中泊して静岡から和歌山へ行ったり、東北を車で巡ったこともあります。
はるさん:「デートで車中泊旅?」と驚かれることもあります。でも、私も子供のころ家族でディズニーリゾートに遊びに行ったときに車内で前泊していた経験があったので、車中泊自体にあまり抵抗はなく、むしろ「ワクワク感のある楽しいもの」という認識でした(笑)
以前はサラリーマンだったのですが、車中泊で東北を9日間まわった後、休み明けの出勤でなんだか旅ロスに陥ってしまって。そんなときに、クルマでバンライフしている人たちのYouTube動画をたかに見せてもらい、自分たちもこんな生き方がしたい!と思ったんです。
その後、2人でVR動画を発信しながら日本国内を旅することに決めました。
たかさん:実は以前、僕の姉が闘病していて、姉は旅行ができない状態でした。姉のことを考えながら、さまざまな理由で旅行が出来ない人に「VRで旅行を届けたい」と思うようになったんです。
例えば、高齢で旅行するのが体力的に難しかったり、体が不自由で移動に制限があったり、金銭的な理由で旅行が難しかったりするかたもいらっしゃいますよね。そういった方々に、VRの映像を届けたいなと考えました。
具体的には、入院中の病院からVRでお花見をしたり、北海道にいながら沖縄の海へVRでダイビングしたり、高齢者施設にいる方々が若い頃に行った思い出の地をVRで巡ったり・・・。そういう体験を届けたいと思って、旅をスタートしました。
たかさん:はい、愛車はレクサスRXです。中古購入したんですが、その際に運転席や助手席を倒してみて、ふたりで寝られるかを確認しました(笑)
当時はバンライフを始めるかどうか確定はしていませんでしたが、車中泊することは念頭に置いて購入しました。ただ、現在はルーフテントを立ち上げて寝るようにしています。
はるさん:このルーフテントはYahoo!ネットショッピングで購入して2人で装着をしたんです。重量が65kgほどあるので、ふたりでクルマの上に搭載するのはすごく大変でした。
▼ルーフテントを取り付ける専門業者さんもあります。気になるかたはこちらもチェック!
はるさん:現在までに100弱の市区町村へ訪れました。今は新型コロナの影響で大々的な移動はできないので、近場で花畑を撮影したり、地元静岡でゆるキャン△(※)の聖地巡りをしたりしています。
「浜名湖佐久米駅」(静岡県浜松市)はアニメ内でも描かれていましたが、カモメがとても多くて感動しました!この駅は冬になるとカモメの大群がやって来ることで有名なのですが、本当にたくさんのカモメがいて、アニメの演出は盛っていなかったんだなとわかりました(笑)
※ゆるキャン△:キャンプ好きな女子高生が静岡・山梨を中心にキャンプを楽しむアニメ(ドラマ化もされています)
たかさん:あとは、僕の地元の奄美大島のサンセットカヌーを、VRで撮影させてもらったときのことも忘れられません。涙が出るくらいキレイで・・・。その美しい景色にとても感動しました。ぜひVR映像で楽しんでいただきたいです。
▼そのときのYouTubeはこちら
はるさん:ありがとうございます!撮影中は感動もありますが、大変なことも多くて。
たとえば、兵庫県に「シワガラの滝」という、洞窟内に滝が流れている観光スポットがあるんですが、滝までは駐車場から徒歩で約45分と聞いて「まあ45分なら行って帰って来られるな」と思い、行くことにしたんです。ですが、実際は往復4時間かかりました!!(笑)
途中、雪で道がなくなっていて、長靴がないと進めないようなところも靴を脱いで渡って行ったんですよね。滝まであと10メートル、というところまでは進んだのですが、そこから先は胸元まで水に浸からないと進めない道だったので、さすがに身の危険を感じて引き返しました。
その後、地元のかたには「この季節に行くなんて信じられない」と驚かれました。いつもネットで情報を得てから行くようにはしていますが、このときは情報が得られず。携帯の電波もないですし、行くしかなかったんです。
クルマに戻ったときにはホッとしましたし、駐車場のコンクリートを踏んでとても安心したのを覚えています。
たかさん:あのときは道が崩れていたし、初めて命の危険を感じましたね。はるは「遭難ってこうやってするんだなあ・・・」と感じていたようですし、僕は「死ぬときって、こうして死ぬんだろうな」と想像しながら戻りました。
地元の人しか知らない情報があるんだなって。滝を撮られなかったのはとても悔しかったのですが、教訓にはなりました。
はるさん:夜、クルマの上にあるルーフテントで寝ているのですが、道の駅で休憩するのはちょっと大変です。ルーフテントはいわば布1枚なので、バイクやトラックのエンジン音、それに人の気配を感じると少し怖いです。
アイマスクと耳栓をして寝られるようにはなりましたが、人の気配がある場所で寝ることにはかなり時間がかかりました。ちなみにですが、朝起きたら、アイマスクも耳栓も取れています(笑)
たかさん:ルーフテントはどうしても「今からここで寝ます」という感じで目立つので、人が多いところは割と気にしています。駐車場の中でも端の場所や道路から遠い場所に停めるようにしているんです。
それから、車中泊できる場所の近くにお風呂があるかというところも大切なポイントですね。上手く条件が揃っている車中泊スポットを探すのは、とても難しいなと感じています。
また、バンライフを始めてから電気の確保の大切さに気付きました。リモートワークも最初は車内でしていましたが、動画の編集をしているとパソコンの電力消費がもうすさまじくて。ポータブル電池の減りが早すぎるんですよね(苦笑)
日中の編集で電力を使ってしまうと、夜間の電気毛布の電気残量に響くので、車内作業は極力やめて、コンセント完備のレストランやコワーキングスペースに立ち寄って作業するようになりました。
たかさん:VR撮影は、季節や天気のコンディションを合わせるのがとても重要です。
ホテル泊だと、チェックイン・アウトの時間を気にしてスケジュールを決める必要がありますが、バンライフなら目的地近くで前泊してスタンバイし、すぐに撮影準備ができます。時間に縛られることなく、見たい景色を見られることがバンライフの良いところだと思います。
はるさん:よく「ケンカしないの?」と聞かれるけど、好きだからこそ一緒にいられると思っています。私自身が「好きな場所で好きな人と好きなことができる」ことに憧れていることもありますが、実際にバンライフを始めてみて、大変なこともふたりで一緒に乗り越えて、絆を深められている気がしています。
たかさん:夫婦とかカップルって、「ライフパートナー」だなと思うんです。
不動産の家であれば問題ないことも、バンライフだとその不便さゆえの問題に直面することもあります。そんなときにパートナーと一緒にどうすればいいか考えて、乗り越える。はるの言うとおり、僕たちはバンライフを通じて絆が深まったと感じています。
はるさん:たとえば将来のパートナーとの生活や結婚を考えている人は、同棲と同じようにバンライフを経験してみるのもいいかもしれないですね(笑)。大変なことを乗り越える能力とか、人の潜在的な生きる力を問われる部分が見えると思います。
はるさん:バンライフへの壁が少し高いとしたら、1泊2日の車中泊をするだけでもぜひトライしてみてください。そこから楽しさを見い出せるかもしれません!
それと、VR動画は360°なので、景色のほかに、私たちの服装や靴を参考にしてほしいですね。バンライフの服装ってなかなか情報が少ないから、私たちの動画から観光先の服装や靴の視覚情報を仕入れてもらいたいです。
たかさん:バンライフで非日常を体験し、普段知らない体験をして、問題にも乗り越える力がつく。バンライフは自分の成長を楽しみながらできるから、ぜひやってみてほしいです!そしてバンライフの行き先を決めるときや旅気分を感じたいときは、僕たちのVR動画を見て楽しんでもらえたらうれしいです。
2020年9月よりおふたりで日本の全市町村1732か所を巡る旅を開始。事情があって旅行できない人々にも旅行気分を味わってほしいという気持ちから、全国の絶景をVRカメラで撮影し、YouTubeで発信中!
▼2人のYouTube「はるたかチャンネル JAPAN VR TRAVEL」はこちら!